2010年02月01日

萌えの心臓

BShi ハイビジョン特集 シリーズ東京モダン

「萌えの心臓」

バラットゥ・ムルティ監督(インド)

 自らも漫画を描くという、監督が日本の同人文化に
迫っていく。外国人からみた、漫画同人誌と
コミック文化、それに関わる人々をカメラは追いかける。
インタビュー形式で、進む映像は、
監督の問いかけに対する返答を通じて、
コミック文化のなかの萌え、やおい、BL、腐女子、少女漫画と
いったコアな世界へと迫っていく。
おそらく、日本人のなかでも、知らない人が多いのでは
ないだろうか。このドキュメンタリをみて、はじめて知った。
そんな感想を持つ日本人が、普通にいるような気がする。
私にとっては、特に目新しいものは無かった。
登場してくる女性の同人作家や漫画家の皆さんについても
頑張ってるなって感じで、そうだよねって気持ちで
みまもっていた。
 同人誌の基本は、やはり自己中心にあるといえるだろう。
自分の感じたこと、自分の表現したいことを描きたい。
その想いが中心にあって、頑張れるのだといえる。
そこは、プロとの大きな違いであるといえるし、
それぞれの自己主張が、交差するなかで、共感がうまれ
その共感できる人の連鎖が広がっていくことで
作品の読者が多くなっていく、そんな世界が同人誌の世界で
あるのだといえる。より多くの人に共感を与えられる作品を
描ける人が、プロになっていくこともあるということ。
また、何千部も完売させるメジャーになっていくことになる。
 趣味の世界というのは、まず自分が楽しいということが
大前提であり、同人誌の世界も、それは同じこと。
そのあたりを描くといった感じではなく、
BLや少女漫画、腐女子といった関連の人気について
それを理解したいというアプローチが中心にあると
感じられた。
 インターネット時代において、なぜ電子媒体ですませずに
印刷したものを求め、コミケに人が集まるのか、
それも、監督にとっての謎であったようだが、
監督が、その謎の答えを得られたのかどうかは、
定かではなかった。
コミケでもっている印刷屋さんって結構あるので、
ある意味産業を支えているイベントでもあったりする。
紙の文化というもの、出版や書籍に関する文化が、
欧米とは少し異なっている部分が日本にあるのも確かだとおもう。
作品としての形を残したいという想いは、
電子媒体では、あまり満たされないということでも
あるのではないだろうか。
また、日本人は、お祭り好きな民族であるということも
コミケの背景にはあるといえるだろう。
年に2回の、お祭りといった要素も間違いなくコミケにはある。
文化祭といった感じの部分も含めてといったところだろうか。
ただ、インターネットの普及は、部活という要素を
同人誌活動から薄めている部分はあるようで、
ベテラン印刷技師の言葉からは、そのあたりが残念といった事が
感じられた。
 表現して、伝えたい。読んで共感したい。
楽しみたい。現実を忘れてリフレッシュしたい。
いろんな想いが、コミック同人文化のなかにはある。
日本の漫画が、読者の読解力の高さというものもあって、
非常に多岐多様な分野をカバーしている。
表現方法も様々であり、実験的なアプローチもあったりする。
これは、日本人にある「あうんの呼吸」とか、「さっする」といった
人と人との関わりあいかたも、関係しているようにおもう。
主張することがへたとか、伝えることがへたという
ことが言われる日本人であるが、それはさっすること、
理解することが得意であるがゆえのことである
ともいえるかもしれない。
漫画は、余白をよみ、流れをよむ作品でもある。
海外のコミックの表現とは、異なる表現があり、
それを読み切れない海外読者にとっては、なぜ面白いのか
わからないということになるだろう。
でも、わかる人にわかってもらえたら良いというのが
同人文化であるともいえる。
 その中からメジャーになる人もいるけれども、
一生、趣味として、楽しんでいく人もいる。
結局、日本人と漫画、コミックとの関わりかたは、
人それぞれに異なるということ。
そして、それぞれが、自分の想いで、集うのが
コミケであるということなのだろう。
 さて、萌えとは何か、このドキュメンタリの
撮影と通して、監督は答えを得れただろうか。

ハイビジョン特集 シリーズ東京モダン
http://www.nhk.or.jp/tokyomodern/
2月2日(火)午後2:00〜3:50
posted by 禁酒・禁煙・ベジタリアンのITコーディネータ 松原広幸 at 22:55| 静岡 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ・マンガ・小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

日本人のひとつの姿を、英国監督が追う

BShi ハイビジョン特集 シリーズ東京モダン

 「ナオキ」

ショーン・マカリスター監督

日本人の滅私奉公ぶりの謎を追いかけて
東京でカメラをまわしたものの、
心を開いてくれる人に出会えなかった
取材に協力してくれる日本人との出会いを
もとめていくなかで、
東京ではなく、地方で、その出会いが訪れる
山形で、暮らす無職の中年男性のナオキとの出会い。
27歳年下の20代の恋人と、アパートで、
郵便局でアルバイトをしながら暮らしている
男性の日々を追っていくなかで、
日本の隠された現実に、驚く監督。
60年、70年代の学生運動、
バブル時代の大成功での贅沢な生活、
バブル崩壊での転落、
そして、今、働く恋人と、アルバイトを
しながら生活している日々・・・。
 日本の貧困と、アフリカの貧困、
どちらが幸せかという問いに、
監督は、アフリカと答える。
同じ貧困でも、心の豊かさと自由があるか否か
その差は大きいと感じてしまったからだと
いえるだろう。
 日本の貧困の問題が、一見、貧困ではないように
みえるがゆえに、隠されているという現実を
カメラを捉えていく。
 淡々と続く、ドキュメンタリ映像は、
静かに、日本の真実の姿を映し出す。
でも、そんなナオキにも、うれしい時はあり、
幸せを感じるときもある。
アルバイトしている中年男性と、同姓している
20代の彼女は、なぜ、自分の親と同じ年代の
ナオキと暮らしているのか、
カメラを、その心に迫るべく、撮影を続ける。
 映像のなかで、その答えを見出せたのか、
見出せるのか、それは、この作品を観た人への
問いかけであるといえるかもしれない。
 人生のなかで、大切なものとは何なのか、
生きていく上で必要なものとは何なのか、
イギリス人監督の眼からみた、
日本人の中年男性ナオキ、そして、その恋人、
2人の親族、アルバイト先の若者や同僚、
そんな、日常の構図のなかに、
みえてくる、日本の現代の生活風景・・・・。

2009年に、
山形国際ドキュメンタリー映画祭で、
インターナショナル・コンペティション部門の特別賞、
市民賞を受賞した作品に、
日本人は、何を感じるのか。
109分の切り出された映像のなかから、
伝えられるものに
日本と日本人の姿を、かいま見ることになるのかも
しれません。

さて、外国人からみた日本、日本人。
東京モダンでは、そんなドキュメンタリー作品を
放送しています。
今週も、再放送が次の通りあるようです。
日本人が気が付かない日本と日本人の姿を
外国人監督のカメラを通じて、
見てみることで、なにか感じさせられることが
あるような気がします。
時間のある方は、ご覧になってみては如何でしょうか。

BShi ハイビジョン特集 シリーズ東京モダン
http://www.nhk.or.jp/tokyomodern/
2月2日(火)午後2:00〜3:50
「萌(も)えの心臓」
2月3日(水)午後2:00〜3:50
「辛抱」
2月4日(木)午後2:00〜3:50
「“糸”〜道を求める者の日記〜」
2月5日(金)午後2:00〜3:47
「縁」
posted by 禁酒・禁煙・ベジタリアンのITコーディネータ 松原広幸 at 17:36| 静岡 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

一夜正月


 睦月から如月へ、時は流れました。
厄年の人が、厄払いのいみで、
厄年を早く送ってしまいましょうと
「年かさね」をするのが、
如月の最初の日であるということです。
この日を元旦として、年を取り直し、
厄年が過ぎたとする仮の正月が、
一夜正月ということです。
 42歳の厄年のみなさんが、
この日をどの様に過ごすのか、日本の慣習として
すでに忘れ去られていることが多いようです。
 今日は、牛の日でもあるということで、
如月の最初の牛の日に行われるお祭り
初午大祭が、稲荷神社で催されるようですね。
日本の各地にあるお稲荷様でのお祭り、
白蛇を象徴とする農耕の神
宇迦之御魂神
尊称が、稲荷大明神。
稲を生かす、稲生から、稲荷になったとも
いわれるようです。
その眷属には、狐がいたりします。
日本は、神道と仏教と儒教の国であるということを
もっと、地域のなかの慣習や行事などを大切にするなかで
学んでいってもよいようにおもいます。
地域文化を学ぶ授業のなかで、
地域の信仰や伝承、慣習や祭司、行事などを
きちんと、子どもたちに伝えて、
自分たちが育っている地域のことを、
よく知り愛せるようにしていくことが、
学校教育、地域教育で、戦後足りなかったことでは
ないのかなという気がします。
そのあたりを、しっかりと行えるように
していくことこそが、地域を元気にすること
地方の時代をより進めていくことに
繋がっていくのではないでしょうか。
posted by 禁酒・禁煙・ベジタリアンのITコーディネータ 松原広幸 at 13:33| 静岡 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする