日本の行事には、日頃お世話になっている物への
感謝を捧げるためのものが多くあります。
使い捨てるといったことは、日本では常識では
なかったともいえるでしょう。
針供養は、縫い針を休め、折れた針を供養して
いつも布をいききしている針の苦労に感謝して
柔らかいものでねぎらうというもので、
古くから行われているものであったりします。
道具への感謝という考え方、感性が、日本人には
昔からあったということです。
それは、もったいないの心にも通じるものであると
いえるでしょう。
先だって、ニュースで、看護師や医師が、
注射針を供養するということを病院の行事として
行っているという話題が流れていました。
使うものに、感謝して、大切に扱うということは
ものにも霊が宿ることがあるというように
物の怪とかを信じてきた、日本の霊精の位置付けに
係わっていることなのかもしれません。
ものを大事にすることを、消費社会は忘れて
しまっていたために、環境問題にも繋がっていったと
いえるかもしれません。
この様な行事を通じて、物に関する考え方
そこから環境への考え方、産業や社会のあり方を
考えていくことも必要であるような気がします。