2011年03月19日

福島第1原子力発電所事故について思うこと

 M9.0 震度7 という日本観測史上最大の地震が発生し、
最大の津波により、おそらく最大の被害をもたらしたであろう
東北地方太平洋沖地震によって、
福島第1原子力発電所が、異常事態に陥ったわけですが、
世界が、この事故に注目して、様々な議論が行なわれていると
いわれる理由は、過去の原子力発電所の事故において、
炉心溶融=メルトダウンが発生したものは、
正式なものとしては3件あるだけであり、
今回が4件目となるということでもあるからでしょう。
そして、その故障の原因が地震という自然災害からきていると
いうことも注目される要因であるといえるでしょう。
すなわち、発生を防げない災害であるということだからです。

世界のメルトダウン事故
1966年 エンリコ・フェルミ炉(炉内損傷故障)
1979年 スリーマイル島原子力発電所事故(操作ミス)レベル5
1986年 チェルノブイリ原子力発電所事故(操作ミス)レベル7
2011年 福島第1原子力発電所事故(東北地方太平洋沖地震)レベル5〜6

当初は、レベル4の事故という評価でしたが
その後の経過から、このまま収束したとして、レベル5〜6という
ことになるでしょう。
過去の有名な事故につぐ事故として認識されているわけです。
スリーマイル事故よりも、周辺被災が大きくなるのは間違いなく、
それが、どの程度までいくことになるのか、
世界が日本の事故対応を見守っているといえます。
この事故の結果は、世界の原子力発電所の安全性に
ついて、新たな情報を与えることになるでしょう。
そして、原子力発電のリスクが、その効果よりも大きいことが
認識されることになるでしょう。

自然災害による被災故障は、一般的な設備故障や操作ミスとは
まったくことなる状況を発生させるということが、
今回明らかになっているわけです。
その意味でも、過去のメルトダウン事故とは違った視点で
解析される事例となるでしょう。
もちろん、M9.0の地震が近隣で発生し、津波にもあったうえで、
どの程度の被災があるのか、それに耐えうるレベルの設計や
構造とは、どのようなものであるべきなのかという事例検証とも
なるわけです。
確かに、設計想定外の事象が発生しても、耐えるというのは、
製造技術の高さと製造品質の高さがあって可能となりえるものだと
いえます。
しかし、それは幸運であったというだけでもあるわけです。
現状は、すでに核反応は制御された状態にあり、
問題は、熱と放射能の拡散ということになっています。
拡散リスクとして、最大のものが水蒸気爆発です。
それが起こらないように、温度を下げることが重要となるわけです。
現状を維持して、無事に収束していくことを願う次第です。

今回のメディアの放送を観ていると、
日本のメディアの力のなさを感じさせられます。
また、ネットの有効性と同時に、誤情報の流布の問題を
痛感させられました。

こんな記事もありました。
「頼れるどころか、もはや「有害」な日本の震災報道
 信頼に足る情報を探し求めて分かったこと 2011.03.18(Fri)」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5668

さて、驚くいたは、反原発の皆さんが、以外に
原発そのものの知識が少ないこと、
間違っている部分があったりすることです。
科学的視点で冷静な分析が出来ていないことが、
推進派を抑えられないできた要因のひとつであったのかも
しれないと感じさせられた部分もあります。
面白いのは、メルトダウン=核爆発というような間違いや
チャイナシンドロームを現実のものとして語ってみたりとか
(日本沈没を現実のものとして語るのと同じです)
放射能と放射線の違いを説明できなかったり、
水素爆発と水蒸気爆発の違いを認識できなかったり、
放射能対策についても、すぐにヨウ素剤を飲んで逃げるべきとか
被曝のレベルについての認識とか、
悲観的な方向でリスク大で評価したいのはわかるものの
その基本に、しっかりとして科学的論拠をもっていることが
大切であると思うのですが、どうきいてみても、
その部分が曖昧な説明になっていたりするものが多かったり
している印象を受けました。
やはり、きちんとした科学的な裏付けをもって語らないと
推進派の反証にあって、一カ所の間違いをもって、
全体を間違っているという方向に印象付けられてしまい
理解されないということが、これまでの活動のなかに
あったのではなかろうかという気がしてしまいました。
M9.0は捏造で阪神淡路大地震よりも小さいだとか、
原発リスクを訴えたいからといって非科学的なことを
語ってしまうと全部が嘘にみえてきてしまいます。
また、パニックを誘発するような情報の発信の仕方も
一部であるようで残念です。仮説なのが現実なのかを
しっかりとわかるように明示して情報提供すべきなのに
出来ていない。仮説の場合に、それを現実として流すと
あとで、仮説が成り立たなかったときに、その情報元の
信用は失墜してしまいます。今が、反原発・脱原発を
主張するチャンスだとおもうのは理解できますが、
被災者のことも考慮し、パニックなどでの二次災害防止を
配慮して情報発信するべきでしょう。

さて、海外メディアの情報も、海外ということもあってか
最大リスクベースの報道が多かったようです。
それぞれの国の専門家が、さすがにいきすぎだという
感じでコメントを出していますが、それも日本からの情報発信が
下手くそであったためといえるでしょう。
国の対応もそうですが、メディアの対応もそうでしたから。
ただ、注意しなけばならないのは、情報が少ないからといって
情報が間違っているわけではないということです。
勢いあまって、政府や東電の情報を嘘だといってしまうと
そういっている方も嘘だということになってしまいます。
政府や東電の出している情報は、少なかったり欠けていたり
しますが、間違ってはいません。
批判すべきは、情報量の少なさであって、嘘つきだという
ことではないということです。
批判の仕方にも、問題がある情報が結構ながれていました。
それが、不安を増加させた一因となっているのは否めないでしょう。

「首相官邸 東北地方太平洋沖地震への対応」
http://www.kantei.go.jp/saigai/index.html
「東京電力-プレスリリース-」
http://www.tepco.co.jp/tepconews/index-j.html
「東京電力−原子力−」
http://www.tepco.co.jp/nu/index-j.html
「福島第一・第二原子力発電所モニタリングによる計測状況」
http://www.tepco.co.jp/nu/monitoring/index-j.html

チェルノブイリ事故をどうしても想像してしまうのは、
欧州では仕方のないことです。
ただ、今回の福島の事故と、チェルノブイリ事故では、
様々な条件が異なりますし、事象も異なっています。
同じ事故とは言えないものだということを認識しておくべきでしょう。
とちらかといえば、スリーマイルの事故の方に近いです。
スリーマイル事故の内容を検証するのには、かなりの時間が
かかっています。正確な事故検証については、福島も同様に
時間がかかることになるでしょう。
チェルノブイリ事故についても、正確な情報は国内では
あまり報道されていません。
今は、ネットの時代ですから、個々に調べればわかることでは
ありますが、チェルノブイリでは、制御棒を抜き、冷却水を止めて
その結果、メルトダウンして、水蒸気爆発をして、燃料の殆どを
爆発で吹き飛ばしたというもので、臨界の状態も、設備も、
制御方式も、福島の事故とは異なるので、
同じというのは間違いだということです。
ちなみに、核爆発という表現をする人がいますが、
広島・長崎の原爆とは違うので注意すべきです。
日本では核爆発という表現は、誤った印象を与えます。
火山噴火のときに起こる水蒸気爆発と
同じことが炉内で起こるものですから、
核爆発という言葉を使わずに、水蒸気爆発と言うべきでしょう。
今回は、制御棒は入り、冷却水の循環は止まったものの
強制的に海水をおくってなんとか冷やしていて、
水素爆発はあったものの、原子炉も格納容器も健在であり、
炉心が一部メルトダウンしていると推定されるものの
炉が溶融して穴があいてしまうような状況には至っていないと
推定される状況にあるということです。
1次的には天災であり、2次的には人災であるといった感じかなと
いうところではないでしょうか。
原発そのものが人災だという意見もありますが、
そこは、原発を認可する議員や首長を選んだ国民や市民にも
責任のある部分ですから、おいとくとして、
天災の想定が甘かったという批判も、技術的に回避できたかという
可能性を踏まえて行う必要のある部分ではあります。
純粋に、現実的にみていて、まず天災で故障して、その故障対応が
マニュアルの想定外であったために対応が遅れ、
事態を悪化させることになり、さらになかなか
廃炉にしてしまって良いという決断が出来ずに、
効果的な対応の実施が遅れた結果として、現状に至っていると
いったところでしょう。
そのあたりの検証や責任については、事態が落ち着いたあと
きちんと追求される必要があるでしょう。
今回、いろんな情報が流れるなかで、一般の皆さんにわかりやすく
原発情報を伝えようといったサイトが立ち上がってもいました。

「東大原子力系卒業生および有志協力チーム と
 Science Media Center of Japanの共同の「原発に関するQ&Aまとめ」」
http://smc-japan.sakura.ne.jp/?p=752

などがそうですね。
また、海外の専門家のコメントも発信されています。

「MIT研究者Dr. Josef Oehmenによる福島第一原発事故解説」
http://bravenewclimate.com/2011/03/13/fukushima-simple-explanation/
(日本語訳PDF)
http://bravenewclimate.files.wordpress.com/2011/03/fukushim_explained_japanese_translation.pdf

 情報化時代にあって、いろんな情報が流れます。
どの情報が必要であり、どの情報が正しいのか、最終的な判断は
各自の自己責任で行うしかありません。
しかし、もし信用できる知人がいるのであれば、
その助言を参考にするのも良いでしょう。
また、ひとつの情報を盲信するのではなく、
複数の情報を精査して、判断することも重要であるといえるでしょう。
何かの活動をしている人の発信情報には、
その活動に関してのバイアスがかかっているものです。
そのあたりも考慮して認識することも大事です。
今回の事故にあたり、放射能汚染についても、
いろんな情報が飛び交いました。
なかには危険な誤情報もあったりしています。
放射能については、日本では、広島と長崎の被曝、
ビキニ環礁の原爆実験での被曝といった印象が最初に浮かびます。
ゆえに、どうしても冷静でいられないという面があり
誤った情報であっても信じてしまったりすることがあり
難しいところではあったりするといえるでしょう。
放射能と放射線について、今回の事故の教訓として
多くの人が正しく認識して、関心をもって頂けたらと思います。
放射能や放射線は、危険なものでもあり、
また、治療などで人の命を救ってもいるものです。
自然界にも普通に存在しています。
外部被曝も内部被曝も、事故がなくても普通にしています。
どのくらい被曝しているのかが、問題であるということです。
被曝を低減する三原則:時間・距離・遮蔽。
これが、被曝の影響を図るものさしでもあるといえるでしょう。

放射能や放射線についての情報もいろいろあります。

「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S32/S32HO167.html
「電離放射線障害防止規則」
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S47/S47F04101000041.html
「(株)ジェー・シー・オー東海事業所臨界事故による
 人への線量の状況と今後の取組みについて」
http://old.kokai-gen.org/information/0_jcotori.html

「放射能の基礎知識」
http://bit.ly/gMtrvG
http://www.shse.u-hyogo.ac.jp/kumagai/eac/chem/radiochem.htm
「放射線分析計・環境放射能」
http://bit.ly/huq0zh
http://www.shse.u-hyogo.ac.jp/kumagai/eac/ea/radiation.htm
「放射線計測協会」
http://www.irm.or.jp/

「放射線医学研究所」
http://www.nirs.go.jp/index.shtml
「日本分析センター★牛乳に含まれるヨウ素131の分析」
http://www.jcac.or.jp/method_milk.html
「市民のためのがん治療の会★特殊な放射線治療:アイソトープ治療について」
http://www.com-info.org/ima/ima_20100421_uchida.html
「前立腺がんに対するヨウ素 125 密封小線源永久挿入療法」
http://www.med.nagasaki-u.ac.jp/urology/clinics/brachytherapy.pdf

放射能の危険を怖がるだけでなく、放射能の性質や利活用に
ついても、正しい理解をして欲しいと思います。

医学界においても、放射線治療は、リスクを伴うものとして
実施されていますが、命を守るために最低限のリスクをとると
いうことも時には必要であるということです。
また、医薬品や材料などの研究においては、
物質の構造を解析していくことが重要なものになります。
その研究のために、X線や中性子線が使用されています。
こちらも、とても重要な研究です、
その為の研究用の原子炉もありますが、
それは、原発とは全く規模も安全性も違います。
自然界の物事を知るには、科学的な視点と思考が、
やはり必要になるといえるでしょう。
学校の数学や理科の勉強は、その基礎ですから、
しっかり学んで欲しいとおもいます。

いま、現場での問題は、放射能と放射線の両方です。
放射線については、対策をとりながら、現場の作業が
進められています。
現場の近隣以外で、懸念されているのが、
放射性物質による被曝です。

放射線の計測については、日本は結構しっかり行って
きていました。
今回、いろんなところから、その情報が提示されるように
なっています。
原発では、必ず近隣の放射線を常時監視計測することが
義務づけられています。
よって、原発の近隣には、計測ポイントが複数必ず
存在しています。
また、気象情報のひとつとして計測されているポイントもあります。
昔、各国が原爆実験を行っていたときに、
多くの放射能が大気上に巻き散らかされていて、
その影響を確認する目的などもあって計測が行われて
きているわけです。

「日本の環境放射能と放射線」
http://bit.ly/htrAGh
http://www.kankyo-hoshano.go.jp/kl_db/servlet/com_s_index
「環境庁 環境放射線等モニタリングデータ公開システム」
http://housyasen.taiki.go.jp/
「環境防災Nネット」
http://www.bousai.ne.jp/tex/index.php
「東京電力 環境放射線データ」
http://www.tepco.co.jp/nu/pamp/index-j.html
http://www.tepco.co.jp/nu/monitoring/index-j.html
「東北電力」
http://www.tohoku-epco.co.jp/electr/genshi/onagawa/ms.html
「四国電力」
http://www.yonden.co.jp/energy/atom/ikata/ikt701.html
「九州電力」
http://www1.kyuden.co.jp/php/nuclear/genkai/g_env_monitor.php
「北海道 環境放射線データ」
http://www.pref.hokkaido.jp/soumu/sm-gensc/
「青森県 環境放射線データ」
http://gensiryoku.pref.aomori.lg.jp/atom/index.html
「宮城県」
http://www.pref.miyagi.jp/gentai/kankyo/kankyo.htm
「福島県」
http://www.atom-moc.pref.fukushima.jp/dynamic/C0001-PC.html
「新潟県 環境放射線データ」
http://www.k4.dion.ne.jp/~ngtl-rad/
「茨城県 環境放射線データ」
http://www.houshasen-pref-ibaraki.jp/present/result01.html
「埼玉県」
http://www.pref.saitama.lg.jp/page/housyasenryou.html
「東京都」
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2011/03/20l3hb00.htm
「神奈川県 環境放射線データ」
http://www.atom.pref.kanagawa.jp/cgi-bin2/telemeter_map.cgi?Area=all&Type=WL
「静岡県 環境放射線データ」
http://www.hoshasen.pref.shizuoka.jp/rr-condition/index.html
「石川県 環境放射線データ」
http://atom.pref.ishikawa.lg.jp/monitoring/Pages/Radiation/FormRadiationMap.aspx
「京都府 環境放射線データ」
http://www.aris.pref.kyoto.jp/map_00.html
「福井県 環境放射線データ」
http://www.houshasen.tsuruga.fukui.jp/
「大阪府」
http://www.o-ems.pref.osaka.jp/
「鳥取県」
http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=32514
「島根県 環境放射線データ」
http://www.houshasen-pref-shimane.jp/page/radiation/radiationMap.html
「岡山県」
http://www.okayama.ecweb.jp/
「鹿児島県 環境放射線データ」
http://www.env.pref.kagoshima.jp/houshasen/

データの数字の単位については、
空間線量率測定結果「nGy/h(ナノグレイ/時間)」とある場合や
「nSv/h(ナノシーベルト/時間)」とある場合がありますが、
ほぼ同じと考えてみれば良いでしょう。
あと、ナノ以外にマイクロ標示の場合もあります。
また、報道ではミリの場合もありますので注意が必要です。
1000nSv(ナノシーベルト)=1μSv(マイクロシーベルト)=0.001mSv(ミリシーベルト)

放射能については、風評被害やパニックを出さないように
冷静に行動することが大切です。
もちろん、最悪のケースを想定して、疎開できる人であれば
疎開してもよいと思います。
とくに、放射能に弱い乳幼児や子どもについては、
屋内退避の30K圏内から外にいった方がよいでしょう。

あと、今回の誤った情報としては、ヨウ素(ヨード)についての
情報がありました。ヨウ素は、劇物であり、接種にあたっては
医師の診断のもとで行う方がよいものですし、
飲むべき時期の判断も大切になります。
国際的な勧告を基準にして、日本でもヨウ素予防についての
指針がつくられています。
参考にするとよいでしょう。

「日本アイソトープ協会
 原子力事故時におけるヨウ素剤予防投与の実施体制の概要」
http://bit.ly/hNT40u
http://www.med.nagasaki-u.ac.jp/interna_heal_j/isotope.html
「原子力安全研究協会
 安定ヨウ素剤 取扱いマニュアル」
http://www.remnet.jp/lecture/b03_03/index.html

あと、ヨウ素(ヨード)について、ヨードチンキを飲むのは
論外であるが、どうしても、
ヨウ素そのものを接種したいというのであれば
食品から取ることができます。
どんな食品にヨウ素が含まれているのかは、
ヨウ素によるがんの放射線治療を実施する場合に、
ヨウ素を含んだ食品を一定期間(1ヶ月程度)食べないように
食事制限が行われます。
その食事制限の対象食品は、ヨウ素が多く含まれている食品と
いうことになりますので、参考にされるとよいでしょう。

放射線ヨード治療のためのヨード制限
 伊藤病院 http://www.ito-hospital.jp
 野口病院 http://www.noguchi-med.or.jp
 セティ株式会社 http://www.sceti.co.jp/yodo/

さて、食品への放射能汚染についての危惧をされている皆さんも
多いことでしょう。
今回、政府が決めた基準は、どんなものなのかなどは、
政府の公開している情報を確認するとよいでしょう。
ただ、報道される情報や、ネットで流れる情報には、
政府の基準を嘘だといったものもあるとおもいます。
まず、政府の基準は嘘ではありません。
そこはしっかりと認識しておくべきだと思います。
ただし、その基準が、どの程度安全なものなのかについては
現在、世界の科学者、医学者のなかでも意見の分かれている
部分であったりします。
つまり、放射能の健康への影響については、
一定以上の強い放射能については、明確になっているが、
低い放射能については、まだ不明な点が多いということです。
つまり、今、世界にある基準は、すべて仮説に基づいて
算定されたものであり、断定できるものはないということに
なります。
より、厳しい仮説をとっている科学者と、
やや緩やかな仮説をとっている科学者で、
発言は違ってくるということになります。
(たとえば、直線しきい値無し仮説 とか、
 放射線ホルミシス仮説 とか、他にもあるようです)
そのどちらも間違っているとは言えないわけです。
仮説が証明されるには、科学的な実証データの積み上げが
必要になりますが、人への影響は、実験が出来ないことで
あるので、事故にあった被曝者の情報から推定するしか
なく、その統計情報の精度の問題もあって、確定するに
至っていないといったところでしょう。
反原発の方向にある皆さんは、厳しい基準を選択しています。
それは、当然のことではあります。
政府は、一応、国際機関の選んだ現状の基準を選択しています。
こちらは、厳しい基準よりは緩いです。
自然界のも存在している放射性同位体の場合には、
その評価がさらに微妙になってきます。
どの基準で考えるのかは、現状では、それぞれ自分で判断するしか
ないでしょう。
とりあえず、関連する情報については、
以下のようなものがありますが、他にも情報は提供されています。

「放射能汚染された食品の取り扱いについて
 (福島原子力発電所事故関連)」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001558e.html
「食品衛生法」
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22HO233.html
「国際放射線防護委員会(ICRP)2007 年勧告」
http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/bougo/bougo006/siryo6.pdf
「国際放射線防護委員会(ICRP) (13-01-03-12)」
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=13-01-03-12
「ICRP勧告:放射線・実効線量限度」
http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/13/13010312/01.gif
「ICRP「緊急事態対応判断基準等に関する調査」について」
http://kokai-gen.org/html/data/20/2010317002/2010317002-27.pdf
「環境と人体中での放射性物質の動きについて」
http://www.aomori-hb.jp/houkoku/H20_01.pdf
「内部被曝について考える」
http://www.cc.u-ryukyu.ac.jp/~kameyama/JSAOKleaflet2.pdf
「プルトニウム内部被曝に関する動物実験病理データベース」
http://www.nirs.go.jp/db/anzendb/PuDB/PuDB.html
「全人類の総括的な被ばく線量算定 (09-01-05-09)」
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=09-01-05-09
「ニュースNo.71ECRR2003年勧告」
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/seminar/No99/yamauchi041215b.pdf
「ECRR2003報告における 新しい低線量被曝評価の考え方」
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/seminar/No99/yamauchi041215.pdf
「低線量放射線被曝リスクをめぐる最近の動向」
http://archives.shiminkagaku.org/archives/radi-beir%20intro.pdf
「愛知県衛生研究所
 〜チェルノブイリからの放射性セシウム
 これまでの輸入食品の放射能検査結果」
http://www.pref.aichi.jp/eiseiken/4f/chernobyl.html

さて、日本は、世界で唯一の被爆国です。
広島と長崎に落とされた原子爆弾は、多くの人の命を
奪いました。
また、ビキニ環礁実験でも、被爆被害者を出しています。
原爆はNOというのは国民の総意であるといえるでしょう。
では、原発はどうでしょうか、
自民党政権下で、進められてきた原子力発電政策の結果、
今の日本の電気エネルギーの供給は、
原子力に4分の1以上を頼る状況となってしまっています。
スリーマイル事故のときも、チェルノブイリ事故のときも
反原発の運動が盛り上がりを見せましたが、
原発の増加を止めることはできませんでした。
そして、JOCの事故、柏崎の地震被災事故などで、
危険が危惧されましたが、そこでも原発政策が止まることは
ありませんでした。
原発は、国の政策と、それに従った電力会社の方針で
進められ、建設にあたっては、建設地の住民の同意と
自治体の同意が必要とされてきたわけです。
すなわち、自治体が同意しなければ建設できなかった
ものでもあるわけです。
今回の福島の原発事故を踏まえて、原発は日本に必要なのか
国民は、ひとりひとりが、しっかりと考えるべきでしょう。
そして、統一地方選挙において、原発についての考えが
どうなのかを候補者について判断した上で、
しっかりと投票することが重要であるといえます。
原発を停止させていくのも、建設を止めるのも、
原発のある自治体の市民が選ぶことなのです。
そして、国のエネルギー政策から原発をなくすか否かも
国会議員を選ぶ国民の投票によって左右されるわけです。

私は、日本には原子力発電所は必要ないと思います。
しかし、現実として存在している原子力発電所を
すぐに止めることは無理だとも思っています。
また、原発のリスクや、放射能のリスクについても、
きちんとした科学的な評価をもとに判断すべきであるし、
感情論的な議論で否定することには違和感をもっています。
そして、科学的な見解において、複数の学説があるもの
複数の仮説があるものは、そのどちらも正しいという
前提にたって、私なりに考えていくべきだと思っています。
私なりの考えてとしては、福島原発事故は、レベル6と
評価されるべきだと思います。
現状のまま推移することを願ってますので、
自衛隊、消防、東電職員などの現場で、事故の対応に
奔走されている皆さんの努力によって、
最悪な状況には至らないと信じて、
今後の流れとして、福島第一原発と第二原発は、
すべて、廃炉として処理していくべきであり、
第一原発周辺の放射能濃度を確認の上で、
一定のエリアを隔離して、監視していく体制を整えて
いくべきだと思います。
残念ですが、放射性廃棄物の管理エリアとするしか
ないでしょう。
政府は、脱原発宣言を行い、現在、停止中の原発の
再稼動を禁止して、廃炉化を進めることとし、
稼働中の原子力発電所の発電量を代替する
火力発電所の稼動を進めて、順次停止させて、
廃炉化を進めていく計画を、電力会社と共に立案し、
国家プロジェクトとして推進していくべきだと思います。
CO2問題は、それと並行して、企業や家庭に、
太陽光発電をはじめとした自家発電の設置を、
国家補助を出して推進していき、電力会社の供給すべき
電力量を削減していくなかで、火力発電所を
停止していくという方向で進めていくべきかと思います。

今は、目の前の危機を回避することが最優先です。
そのために国民は協力していくべきであることは
あたりまえであるといえるでしょう。
しかし、直接、その作業に関わらない政治家や
行政は、その次のステップについて、きちんと
検討していくべきであると思います。
より迅速な、復興の実現と、日本のエネルギー問題に対して
脱原発の新たな歩みを進めるために。
posted by 禁酒・禁煙・ベジタリアンのITコーディネータ 松原広幸 at 19:23| 静岡 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 科学・文明・学術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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